ALS事件、元医師・山本直樹被告の初公判は5月29日に 動機など解明焦点

京都地裁

 難病の筋萎縮性側索硬化症(ALS)の女性患者から依頼を受けて殺害したとして、嘱託殺人などの罪で起訴された元医師山本直樹被告(45)について、京都地裁(川上宏裁判長)は17日、初公判を今月29日に開くことを明らかにした。

 起訴状などによると、山本被告は医師の大久保愉一(よしかず)被告(45)と共謀し2019年11月30日、京都市中京区のALS患者=当時(51)=のマンションで、患者から依頼を受けて胃ろうから薬物を注入し、急性薬物中毒で死亡させたとしている。

 地裁によると、5月29日の初公判以降、6月8日、21日、8月3日にそれぞれ期日を指定した。

 捜査関係者によると、山本、大久保両被告は患者とSNS(交流サイト)を通じてつながったとされる。大久保被告はSNSで安楽死を肯定する発言をしていたことが分かっており、公判では事件の動機や役割分担などの解明が焦点となる。

 大久保被告の公判日程は決まっていない。

 嘱託殺人罪とは別に、山本被告は2011年に父親を殺害したとして、地裁が今年2月、殺人罪で懲役13年を言い渡した。山本被告は判決を不服として控訴している。

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