琴の心伝え70年 小山の丹野さん 21日に記念演奏会

演奏会に向け生徒たちを指導する丹野さん(左手前)

【小山】宮本町3丁目で琴を教える元市邦楽協会会長の丹野井成寿(たんのいせじゅ)さん(90)は教室を開設して70年を迎える。21日には70周年を記念し、教え子ら約100人と「おことの演奏会」を市立文化センターで開く。小中学校での指導にも当たってきた丹野さんは「誰でも邦楽文化に触れてもらえるよう、次の世代にバトンタッチできれば」と話している。

 丹野さんは教室の傍ら、自分の国の楽器を知らない子どもたちが多いことに気付き、伝統音楽を学んでほしいと普及活動を始めた。1965年ごろから市内の小中学校を回ったが、最初は相手にしてもらえなかったという。

 徐々に理解者が増え、現在では市が琴を所有し、1人1面を使った授業ができるようになった。現在も長女の井弘寿(いこうじゅ)さん(62)と共に教室で教えながら、毎月市内の小中学校で指導に当たっている。「当時では考えられないが、活動を続けてきて良かった」と振り返る。

 定期演奏会は2年に1回のペースで開催していたが、新型コロナウイルスの影響で2018年以来の開催となった。丹野さんは「久しぶりに大勢の前でやると緊張はすると思うが、演奏を楽しんでほしい」と期待を寄せる。

 7日には、小山城南市民交流センター「ゆめまち」で全体練習を行った。市内の小中学生や教室に通う人など約100人が一糸乱れぬ演奏を見せた。本番では「ひぐらし」や「夕焼け小やけ」など全17曲を披露する予定。

 21日は午後0時半開演。入場料は前売り千円、当日1200円。小中学生は半額、未就学児は無料。(問)丹野さん0285.23.0811。

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