足利の劇団「PPP45°」 演劇魅力発信へワークショップ 稽古や舞台装置作りなど

PPP45°が上演した舞台の一場面

 【足利】市民劇団「PPP45。」(ピーピーピーヨンジュウゴド)は9月2、3日の公演に先立ち、5月28日から計6回、演劇の稽古や舞台装置作りなどを見学・体験できるワークショップを初開催する。新型コロナウイルスの影響で客足が遠のく中、演劇の魅力を再認識してもらうことが狙い。高校生以上が対象で、参加費は無料。劇団員は「私たちと舞台づくりに参加しませんか」と呼びかけている。申し込みは今月21日まで。

 PPPは「前進的表現者集団」の略で、「45。」は「常に右肩上がりの上昇を」という願いが込められている。団員は足利や佐野などに在住の20~70代の男女約20人。2012年の旗揚げ公演以降、毎年公演を行ってきたが、20年はコロナの影響で稽古もままならず中止となった。

 21、22年は感染対策などを考慮して公演を行ったものの、観客は減少した。演劇の観客減は全国的な傾向という。劇団員は「このままでは演劇の魅力を知る人が減ってしまう」と危機感を募らせており、「まずは触れてもらうことが大切」と考え、ワークショップを企画した。

 公演台本を使った読み方解説や台本の書き方の手ほどきを受けてもらい、舞台装置の色付けなどを体験してもらう。舞台稽古の見学のほか、公演日の本番終了後にはバックステージツアーも予定している。場所は市内の公民館やあしかがフラワーパークプラザなど。開催日は5月28日、6月10、18日、7月16日、8月6日、9月2日または3日の6回で、1回のみの参加も可能。定員は各回10人。

 今年は村松永弓(むらまつひさゆ)代表が制作したオリジナル「はるのうた~2023~」を同プラザで上演する。地方都市の喫茶店で繰り広げられる人間模様を描いた作品だ。

 劇団制作部の内山澄子(うちやますみこ)さんは「演劇は観客と感動を分かち合える。ワークショップでそんな楽しさも味わってほしい」と期待している。(問)制作部大朏美佳(おおつきみか)さん070.2821.6596。

© 株式会社下野新聞社