長崎・原爆死没者名簿に「風通し」 3167人増え19万2399人記名 

原爆死没者名簿に風を通す職員=長崎市、国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館

 長崎県長崎市は17日、国立長崎原爆死没者追悼平和祈念館(平野町)に納められている原爆死没者名簿197冊を外気に当てる「風通し」をした。昨年から3167人(3冊分)増え、計19万2399人の名前が記されている。職員10人は、死没者一人一人の人生と向きあいながら紙をめくった。
 湿気を取り除き、傷みがないか確認するため、例年この時期に実施。名簿は1968年から作成し、昨年7月末までに亡くなった被爆者らの名前と死亡年月日を記載している。原爆投下直後に亡くなった身元不明者を弔うため1冊は白紙としている。
 職員らは窓を開放したラウンジに名簿を並べ、原爆が投下された午前11時2分に黙とうした後、作業を開始。初めて携わった平和推進課の中田晃さん(32)は、祖母が入市被爆者で「紙をめくると祖母の名前があって、祖母に会えたようでうれしい。核兵器は二度と使われてはいけない」と話した。
 昨年8月以降の死没者の記帳は6月1日から始め、今年の平和祈念式典で奉安する。

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