「関西のシベリア」三田のサウナが今アツい 個室、たる状…個性派続々 はしごでととのえて!?

人気のバレルサウナ「サンサンサウナ」。木材は県産のスギを使っている=三田市富士が丘5、寿ノ湯(提供)

 三田でサウナが熱い。今年に入って、兵庫県三田市内に個性派サウナが相次いで誕生した。一つは独り占めできる個室型、もう一つは屋外のたる状サウナ「バレルサウナ」。冬場の厳しい冷え込みから「兵庫のチベット」や「関西のシベリア」とも称される三田だが、もともと寒い地域の文化であるサウナとは相性ぴったり。サウナを愛する「サウナー」たちよ、来たれ。(池田大介)

 タオルと水、サウナマットを手に完全個室のサウナに入ると、じんわりと暖かい空気が体を包む。熱したサウナストーンに水をかけると、「ジュワジュワ」と音をたて蒸気が部屋を満たしていく。静かな空間を独り占めできる、ぜいたくな時間だ。

 4月中旬、JR三田駅近くにできた市内初の個室サウナ施設「Re:NOLLA(リノーラ)」(中町4)。再びの「Re」にフィンランド語でゼロを意味する「Nolla」を組み合わせたという。約40分でサウナと水風呂、休憩を2セット。リクライニングチェアに寝そべり、扇風機の風で体を冷ましながら、ゼロになる感覚を味わった。

 パーソナルトレーナーで店長の安井聡さん(41)が、ともに中高時代を三田学園で過ごしたサウナ好きの友人と立ち上げた。市内にサウナが少なく、ゴルフ場や神戸三田プレミアム・アウトレットにも近い立地に可能性を感じたという。

 安井さんは「人の目を気にせず、プライベートな空間で存分に自分自身と向き合ってほしい」と語る。

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 「関西一円から『サウナー』が足を運んでくれるようになりました」と語るのは、温浴施設「三田天然温泉・寿ノ湯」(富士が丘5)の運営会社社員で、「バレルサウナ」を企画した高橋洸さん(35)。

 もともと寿ノ湯にはサウナがあったが、客の要望などを受けて1月中旬に導入した。直径約2メートル、奥行き約3.5メートルのたるを屋外に設置。本格的なバレルサウナは交流サイト(SNS)やサウナ情報サイトで話題となり、施設の利用者は今年1~3月で前年比約1万4千人も増えたという。

 記者が訪れた日は平日の昼間ながら、サウナハットをかぶった先客たちが「ととのって」いた。たるの中に入ると、熱された空気に汗が噴き出す。外に出ると小鳥のさえずりが聞こえ、自然の風を浴びながらリラックス。この開放感は屋外ならではだ。

 今も朝晩は冷え込む。三田の最低気温の低さは今年1月に氷点下8.2度を記録するなど県内トップクラス。冬場はキンキンに冷えた水風呂や、天然の冷気による「冷凍サウナ」を楽しめそうだ。

 個室サウナとバレルサウナ。どちらも違った個性や魅力があった。気分での使い分けや、ぜいたくにはしごするのもいいかもしれない。 【Re:NOLLA】不定休。午前10時~午後10時。30分コース2750円から。浴室の天井にテレビのある「暁(あかつき)」と水風呂のある「宵(よい)」の2種類で、最大3人まで利用可能。TEL079.558.8806 【寿ノ湯】第3水曜定休。午前10時~午後11時。入浴料850円(サウナ込み。土日祝日は100円増。小学生以下は常時400円)。燃料高騰の影響で現在は燃料代100円も必要。TEL079.564.4126

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