京都の鴨川「放置ごみ」どっさり 空き缶や吸い殻、だれが捨てている?

鴨川の河川敷周辺に捨てられた酒の空き缶などのごみ(京都市中京区)=鴨川を美しくする会提供

 京都市内の鴨川河川敷で、空き缶やたばこの吸い殻などの放置ごみが増え始めている。鴨川の美化に取り組む団体は「コロナ前と同じことが起きないか懸念している」と訴え、ごみの持ち帰りを求めている。

 ボランティア団体「鴨川を美しくする会」によると、鴨川河川敷におけるごみの不法投棄は何年も続いている。新型コロナウイルス感染拡大前は、インバウンド(訪日客)増加の影響で、外国人観光客が河川敷で飲食したごみをそのまま放置する姿が目立った。

 コロナ禍に入りインバウンドが減少したことで放置ごみも落ち着くかと思いきや、緊急事態宣言などで飲食店が営業を休止した影響から河川敷での「外飲み」が増加。会のメンバーは、日本人観光客や大学生などが鴨川にごみを投げ捨てる姿も確認したという。

 昨年3月、会は府や市と協力し、抑止効果を狙って三条大橋西詰め南側付近に照明を3カ所設置した。だが周囲が明るくなったため、逆に宴会をする人が増える結果に。6月には、座って飲食ができないよう花を植えたプランターを6台設置したが、プランターをどかされたり鴨川に投げ捨てられたりと効果が出ていなかった。

 11月に監視カメラを2台設置し、プランターをボルトで固定すると、徐々にごみの量が減ってきたという。

 一方、京都を訪れる観光客の増加に伴い、会のメンバーが三条―四条大橋間の河川敷を毎日清掃しているが、45リットルのごみ袋が必ず一つは満杯になる。会の杉江貞昭事務局長(78)は「ごみ問題が再燃しないか心配している。地域住民にも常に関心を持ってもらいたい」と話し、6月にも清掃活動を実施する。

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