アーセナルが失速した原因とは。ファーディナンドが指摘『リーダーシップを発揮したヤツはいるのか?』

今シーズンのイングランド・プレミアリーグをリードしてきたチームといえばアーセナルであった。

今季開幕から長い間ポールポジションを維持し、245日間にわたってトップの座を守り続けていた。

しかしながらこの数週間は調子が急激に降下し、過去7試合で獲得できた勝点はわずか9となっている。

また先週末には三笘薫が所属しているブライトンを相手に0-3と完敗しており、プレミアリーグ優勝の可能性はほぼ失われてしまった。

現在首位となっているマンチェスター・シティとは勝点の差が4となっており、もし今週末のノッティンガム・フォレスト戦でアーセナルが勝てなかった場合、ライバルの優勝が決定する可能性もある。

そのアーセナルの戦いぶりに対し、あの元イングランド代表DFリオ・ファーディナンドが自身のポッドキャスト「Rio Ferdinand Presents FIVE」で疑問を呈していた。

2002-03シーズンにアーセナルと激しい優勝争いを繰り広げ、最終的にマンチェスター・ユナイテッドで優勝を勝ち取ったリオ・ファーディナンド。

彼が語ったのは2003年2月に敵地でボルトン・ワンダラーズを相手に引き分けてしまったときのエピソード。マンチェスター・ユナイテッドはそのあと10試合で9勝をあげ、最終的に5ポイントの差をつけて優勝した。

リオ・ファーディナンドは、そのボルトン戦のあとにはクラブのベテランたちからリーダーシップを感じる声がかかったと語ったようだ。

リオ・ファーディナンド

「私が初めてリーグ優勝を経験したとき、アウェイのボルトン・ワンダラーズ戦で引き分けてしまった。そして争っていたアーセナルが勝利を収めた。

私はドレッシングルームで落ち込んで、もう終わってしまったと考えていた。とても落ち込んでいた。肩を落として座り込んでしまったんだ。

そしてシャワーを浴びたあと、ロイ・キーンとギャリー・ネヴィルがこう言ったのを覚えているんだ。

『良いね、素晴らしいポイントだ。なんという1ポイントなんだ。なかなか来られるような立場じゃないぞ、もう一度やっていこうぜ。いい1ポイントだ』

そして、私の雰囲気はすべてが変わった。ボディランゲージもね。すべてが変化したんだ。

ウェストハム・ユナイテッド戦、サウサンプトン戦、リヴァプール戦、そのあとにアーセナルのドレッシングルームでそのような激励をしていた人はいたのだろうか?

あのドレッシングルームにだ。あの若いチーム、若い選手たち、タイトルに関わったことがない経験の浅い選手たちのなかに、そんな態度でいられる者がいたのだろうか。

誰かが言ったのだろうか。『いいか、アンフィールドでの2-2は我々にとって大きな結果だぞ。彼らはこの3~4年どんなチームだったか。すごい相手なんだぞ?』と。

『リヴァプールは愚かなチームではなく、この数年大きな成功を収めてきたチームだ。だから頭を上げろ、そしてもう一度戦うんだ』と」

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アーセナルは監督も含めて若いチームであるため、少し躓いてしまったときに全体を奮起させるリーダーシップがなかったのではないか…と指摘しているようだ。

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