バトントワーリング 演技を楽しみ、全国舞台の入賞を目指す秋田蓮太郎(大分東明3年) 【大分県】

サッカー少年だった秋田蓮太郎(大分東明3年)が、宙を舞うバトンに魅了されたのは5歳の頃。サッカーの練習中に、バトントワーリング部の練習風景を見かけた。銀のバトンがクルクルと宙を舞い、華麗にキャッチする選手の姿は、「幼い自分が見ても印象的だった」と述懐する。

「習い始めてからは難しいと感じることが多かったけれど、何度も挑戦して技ができた時の喜びが大きかった」と、一つ一つ技を習得しながら、バトンの楽しさを日々実感していた。初めてのコンテストではいきなり金賞を受賞。その喜びは今も忘れていない。そして小学6年で、初めての全国大会出場をかけた「全日本バトントワーリング選手権九州大会」に出場する。ソロトワール部門で見事、全国大会への切符をつかんだ。「初めて全国の舞台に立てることが何よりもうれしかった」。喜びを胸に全国大会では8位に入賞した。その後も九州や全国の舞台で入賞を重ねながら、中学2年の時には所属するチーム「大分東明バトンスクールフェアリーズ」が全国大会で優秀賞に輝くなどの実績を残している。

全国大会での入賞を目指す秋田蓮太郎

高校はバトントワーリング部のある大分東明に入学した。大分東明には、複数の男子バトントワラーが在籍していた。その先輩たちの背中を追いかけてきたが、昨年から男子部員は秋田1人となった。「少し寂しいけど、歴代の先輩たちから学んだ技と精神を大切にしたい。12年間バトンを続けてきた中で、男女関係なく仲間もたくさんできた。今は楽しんでバトンと向き合いたい」。バトンを通して生まれた友情や絆に、男女の壁はないと笑顔を見せる。

順調に成長の歩みを進めてきた秋田も、昨年はけがに苦しんだ。右足の肉離れで病院や整骨院に通いながら大会に出場した。その後もけがの再発などで思ったように技ができず、落ち込んだ日々もあった。しかし今年2月に行われた「第4回全日本バトントワーリング選手権九州大会」の男子ジュニアの部で2位となり、全国大会出場を決めた。「緊張もあったのか直前まで調子が出せずにいたが、バトンを楽しもうと切り替えた。どんな時も全国で入賞を目指したい」。日々積み重ねてきた努力が、全国で戦える力を授けた。「高校生活ラストとなる、この1年は悔いのないようにやり切りたい」。自分を表現し、バトンを楽しみながら舞台で輝く。

幼稚園の頃から切磋琢磨(せっさたくま)してきた仲間たち

(塩月なつみ)

© オー!エス! OITA SPORTS