G7広島サミットの料理に福井県の昆布だし 奥井海生堂の最高級品、料亭菊乃井が腕振るう

蔵で熟成させた「蔵囲利尻昆布」を持つ奥井隆社長=福井県敦賀市金ケ崎町の奥井海生堂

 広島県広島市で5月19日開幕する先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)で各国首脳が味わうワーキングランチとディナーに、福井県敦賀市の昆布加工販売、奥井海生堂の昆布だしを使った料理が提供される。奥井隆社長は「福井の食文化が認められていることの表れで、大変喜ばしい」と話した。

 同社の最高級品「蔵囲利尻昆布」でだしをとり、20日の昼夜に提供される。ランチで腕を振るうのは、この昆布を長年使用する京都府京都市の老舗料亭の菊乃井。汁物の「煮物椀」のほか、前菜に当たる「八寸」、焼き魚、肉料理の味付けに使われるという。

 菊乃井と、サミット会場となるグランドプリンスホテル広島が共同で担当するディナーでも使われる。

 蔵囲利尻昆布は、北海道で採れた天然の利尻昆布を蔵で熟成させたもので、今回は4~5年寝かせた品を使う。磯臭さがなくなり、うまみが増しているのが特長。2019年のG20大阪サミットの夕食会でも使われた。

 奥井社長は「江戸時代に北前船で敦賀港へ運ばれた昆布を寝かせたのが蔵囲昆布の発祥で、その昆布が大きな舞台で使われる。福井は食に関してすばらしい歴史があるということを多くの人に知ってもらいたい」と話した。

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