長崎・川棚「小串トマト」味わって! 5月20日から「採れたて たっぷりウィーク」開催 29日まで

目当ての小串トマトを買い求める客=川棚町、JAながさき県央グリーン東彼新鮮市場

 長崎県東彼川棚町を代表する特産品「小串トマト」。旬のトマトを使った限定メニュー、菓子を提供する「採れたて小串トマトたっぷりウィーク」が20~29日、町内の飲食店やベーカリーで開かれる。主催者は「生のトマトを使ったイベントは初めて。現地で味わって」と呼びかけている。
 「お店の時計が2時になったら販売です。フライングはだめですよ」。15日、同町下組郷の直売所「JAながさき県央 グリーン東彼新鮮市場」には50人近くの行列ができた。人気の4キロ箱は瞬く間に完売。大村市から訪れた主婦(59)は「このために来た。きょうは親戚の分も買えてラッキー」とほくほく顔。目当てのお徳用を5袋買った。
 小串トマトは1990年の全国施設園芸共進会で農林水産大臣賞に輝いた「日本一のトマト」。5戸が生産し県内外に出荷しているが、流通量は少なく、JA直売所では週5回の販売。上野翼店長(44)は「単に甘いだけでなく、糖と酸のバランスがよくて、うま味がある。当店の看板商品」と太鼓判を押す。販売は6月上旬まで。
 主催する「いろはにとまとプロジェクト」は、この小串トマトの希少性に着目。一昨年から規格外品をピューレに加工し、通年でメニューに取り入れている。期間中はこの「行列ができるトマト」を生で提供。10店舗が菓子、パスタ、ラーメン、鍋など和洋中のメニューを考案した。プロジェクトの代表で「BUCO cafe」の松隈靖之さん(53)=三越郷=はムール貝と小串トマトのイタリア冷麺を提供。「トマトをたっぷり使う。果肉と食感を楽しんでほしい」と話している。

ベーカリーみみっくの「小串トマトのさわやかタルト」=川棚町百津郷

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