県内は18日、各地で真夏日(30度以上)となり、山形市では日中の最高気温が5月の観測史上最高となる34.6度を記録した。暑さに体が慣れていないこの時季は熱中症のリスクが高くなる一方、前日との気温差や日中と朝晩の寒暖差にも「注意が必要」と専門家は指摘する。特に気温変化の感覚が鈍い高齢者は体調を崩すリスクが高いとし、冷暖房の効果的な利用など家族の助言やサポートが欠かせないとアドバイスする。
気象庁によると、山形市の最高気温は5月10~16日の1週間、17~24度台で推移したが、ともに真夏日を観測した17日(31.2度)と18日は急激に上がった。両日とも最高、最低気温の差は約20度もあった。
山形市の「きくち内科医院」の菊地義文院長は、特に高齢者は寒暖差で体調を崩しやすいと指摘する。若いころに比べ体力が落ちていることに加え、気温変化に気付く力が鈍っているためだ。例えば「5月はまだ寒い」との長年の感覚から、実際は暖かいのに暖房や電気毛布を使い続けたり、夜間に水分を摂取しなかったりする人がいるという。
「室温が適切かどうか、家族や近所の人が声かけしてほしい。冷房を効かせ過ぎず屋外との寒暖差を小さくする工夫も大切だ」と菊地院長。暑さに順応するため、早寝早起きといった生活リズムの維持や、体を動かす習慣も推奨している。
気象庁の3カ月予報(5~7月)によると、東北の日本海側の気温は平年並みか高い見込みだ。県消防救急課によると、県内では2020~22年、熱中症(疑い含む)で、年間少なくとも500~600人が救急搬送され、計9人が亡くなった。22年は5月の搬送者数が38人。本格的な夏はまだ先だが、既に気を抜けない時季に入っている。