子どもの健康と成長願い、池に亀放つ 三井寺で千団子祭

池に亀を放ち、子どもの健康を願う親子連れ(大津市・三井寺)

 子どもの健康と成長を願う伝統行事「千団子祭」が13、14日、大津市園城寺町の三井寺(園城寺)で営まれた。長寿の象徴である亀を池に放す「放生会(ほうじょうえ)」などの催しがあり、大勢の親子連れでにぎわった。

 千人の子を持つと伝わる寺の守護神「護法善神(ごほうぜんしん)(鬼子母神(きじもじん))」にちなむ祭礼。1363(貞治2)年に足利尊氏が同寺を再建したのを機に始まり、600年以上続いているとされる。

 護法善神堂で護法善神立像の開帳法要が行われ、福家俊彦(ふけしゅんげん)長吏らの読経とともに像の姿を開帳した。続いて近くの池で放生会があり、甲羅に子どもの名前と年齢を書いて祈祷(きとう)した亀を、親子らが橋上から木枠で滑らせて次々と放した。

 生後10カ月の男児を連れて市内から訪れた会社員の父(30)と美容師の母(26)は「健康で自由に育ってほしいとの思いを込めた」と話した。

 婦人会のバザーや湖魚、和菓子などの販売もあり、大勢の人が訪れていた。

千団子祭で行われた護法善神の開帳法要

© 株式会社京都新聞社