中学生の広島派遣を4年ぶり再開 下野市、高松市との小学生交流も

2019年の広島市への中学生派遣事業

 【下野】坂村哲也(さかむらてつや)市長は19日の定例記者会見で、新型コロナウイルス禍のため中止となっていた広島市の平和記念式典への中学生派遣事業を4年ぶりに再開すると発表した。中止や縮小措置を取ってきた高松市との小学生の相互交流に関する事業も本来の形で実施する。坂村市長は「新型コロナに注意しながら市のさまざまな事業を少しずつ元の姿に戻したい。特に平和記念式典派遣では、先進7カ国首脳会議(G7サミット)の開催地である広島で、子どもたちに平和の意味や戦争の悲惨さを学んでほしい」と話した。

 中学生の広島市への派遣事業は2020~22年度、3年連続で中止していた。7回目の派遣となる本年度は、本来の派遣対象である中学2年生のほか、22年度の派遣がかなわなかった3年生8人も参加する。一行は8月5~7日、広島市に滞在して被爆者の講話や広島平和記念資料館、平和記念公園の視察に臨み、平和記念式典に参列する。

 高松市との交流事業は、同市と下野市の小学生を互いに派遣し合い、交流を深める事業。市町村合併前の旧国分寺町時代に「国分寺町」が全国でも本県と香川県にしか存在しないことが縁で始まった。

 20年度は互いに派遣を中止し、21年度はオンライン交流の形で実施した。22年度は、高松市からの派遣は予定通り行ったものの、下野市からの派遣は、感染の「波」の影響で時期を夏から秋へ変更し、日程も縮小して行った。

 19回目となる本年度は本来の形に戻し、下野市の小学生は8月8~10日に高松市を訪れ、現地の小学生と交流しながら讃岐うどん打ち体験や海水浴、史跡名所見学に取り組む。

 このほか本年度は、自治医大学長や教授らを講師に迎えた市民向けの公開講座も再開させる。「救急・高度集中医療を考える」と題し、7月1、15、29日に同大で実施する。

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