別府市北部中生徒、「不良坂」改め「段々坂」 マイナスイメージ払拭へ命名【大分県】

かつて「不良坂」と呼ばれていた坂に「段々坂」と名付け、地域にPRする別府市北部中の生徒会=別府市亀川
春には桜並木となる「桜坂」
名付けた坂道をPRするポスターを持つ生徒
北部中の生徒が名付けた坂

 【別府】別府市北部中(太田悟校長、346人)の生徒が、通学路や津波避難路になっている学校周辺の三つの坂に名前を付けた。長年の間、坂の一つが「不良坂」と呼ばれてきたことから、マイナスイメージを払拭しようと生徒会が発案。明るさや親しみを感じてもらおうと全校生徒がアイデアを出し合った。すでにゼンリンの地図にも掲載されており、地域住民に周知していく。

 板山の中腹に位置する同中は、多くの生徒が坂を通って通学する。このうち、勾配が急な約130メートルの坂道は、30年以上前から「不良坂」と呼ばれていた。「現在の学校のイメージに合わない」として生徒会は昨年4月、名称を自分たちで考えることを全校生徒に提案した。呼び名のなかった二つの坂の名前も募った。

 階段が続くかつての「不良坂」は「段々坂」に生まれ変わった。四の湯温泉付近から同中まで桜並木が続く約750メートルの坂は「桜坂」、亀川保育園近くを入り口にした坂は「子(こ)坂」になった。

 津波避難路にもなっている「段々坂」の名前を浸透させるため、地図大手のゼンリン大分営業所に生徒会長名で手紙を送り、住宅地図への掲載を依頼。同社は現地調査を経て、昨年12月に出版した住宅地図別府市に反映させている。

 生徒会は住民への周知の方法や予算についてPTAと協議。「北部中に不良はいません」などと書かれたチラシ、ポスターを配布することを決めた。

 今年3月下旬には5カ所に看板を設置。今後は校区内の自治会や小学校にチラシを配り、公民館などにポスターを掲示する。

 永田真一PTA会長(53)は「生徒が主体的に取り組めるようバックアップした。地域とつながる大切さを実感してほしい」。生徒会長の竹野美鈴さん(14)=3年=は「不良坂のイメージを消し、なじみやすい名前になったと思う。今後も地域のためにできることを考えたい」と話した。

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