聴衆を魅了 長崎OMURA室内合奏団定期演奏会  結成20年「総仕上げ」 

質の高い演奏を披露し、聴衆を魅了した長崎OMURA室内合奏団=長崎市民会館文化ホール

 今年結成20年を迎えた長崎OMURA室内合奏団の定期演奏会が18日に長崎市魚の町の市民会館、19日に佐世保市三浦町のアルカスSASEBOで開かれた。県内唯一のプロオーケストラとして質の高い演奏を披露し、聴衆を魅了した。
 同合奏団は本県在住・出身の音楽家らを中心に2003年に結成。大村市幸町のシーハットおおむらを拠点に県内外でコンサートを開くなどしている。団員は現在35人。
 演奏会は、エルガー「弦楽セレナード」で開幕。2曲目のブルッフ「バイオリン協奏曲第1番」では、同団のアーティスティック・アドバイザーで、コンサートマスターを務める松原勝也東京芸術大教授が華やかなバイオリンソロも披露した。3曲目はブラームス「弦楽6重奏第2番」を、松原さんが管弦楽版に編曲した作品で、スケールの大きな合奏を届けた。
 会場からは演奏が終わるごとに大きな拍手が湧き上がった。
 シーハットおおむらの館長時代に合奏団を発足させた村嶋寿深子芸術監督は18日の演奏会終了後、取材に「20年の総仕上げの演奏会。育ての親である松原さんが団員の力を引き出し、コンビネーションも良く、まず自分たちが演奏を楽しむという特色も出ていた」と満足げな表情。「今後は演奏を熟成させるとともに、オケを県民に浸透させたい。もっと若い世代らにクラシック音楽に親しんでほしい」と話した。
 定期演奏会は20日午後2時からシーハットおおむらでも開く。

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