【連載コラム】MLB全30球場を制覇 第29話 機関車駆ける世界王者の野球場

澄み渡る青空。美しい芝。白球が奏でる音に、歓声が重なり合う。最高峰のプレーに心躍り、熱く盛り上がる場所。メジャーリーグ武者修行の旅でアメリカ中を飛び回り、全30球場を制覇したスポーツアナウンサー福田太郎が、あなたを「夢のボールパーク」にお連れします。MLBスタジアムの世界へ、ようこそ。

世界王者ヒューストン・アストロズ

昨シーズン、ワールドシリーズ制覇! 5年ぶり2度目の世界王者です。名将ダスティ・ベイカー監督のもと、チームとファンが団結し、MLB30チームの頂点に立ちました。

1962年に誕生したアストロズは、2017年に初優勝して以降、毎年のようにポストシーズンに進出する、近年力を付けている球団です。

いつも盛り上がっているミニッツメイド・パークですが、ワールドシリーズともなると、レギュラーシーズンはもとより、ポストシーズンをも凌ぐ、ものすごい熱気に包まれます。

[ワールドシリーズは観る人にとっても一生の思い出に!](

ミニッツメイド・パークへ

アメリカの真ん中、南部に位置するテキサス州にある、最大の都市ヒューストンへ向かいます。

ユナイテッド航空のハブ空港があり、全米どこからでもアプローチしやすい街です。空港から車で20分ほど、バスだとゆったり1時間弱で、ダウンタウンに到着。MLBのスタジアムには、大きな荷物を持ち込めないので、先にチェックインを済ませておくのもオススメです。

街中を歩いていると突如現れる、アーチを描く建物こそ、アストロズの本拠地です。「ユニオン・ステーション」の名で市民に親しまれ、経済発展の中心だった「鉄道駅」を活かして、野球場を作りました。

球場の外には、ポストシーズン常連チームならではの「出場記念フラッグ」や「チャンピオンズリング」のフォトスポットがずらり。試合前から陽気に楽しむファンに出迎えられたら… Minute Maid Park! Nice to meet you!!!

[屋根が開くと綺麗な青空が!](

ヒューストンといえば、『NASA』アメリカ航空宇宙局が有名。球場内にも、宇宙を感じるオブジェや演出が沢山あります。

[ヒューストンにようこそ!](

Ballparkの楽しみ方

なんと言っても特徴的なのが、レフトスタンドの上を走る『機関車』です! アストロズの選手がホームランを打った時や、試合に勝利した瞬間に、大きな汽笛が鳴らして駆け抜けます。

機関士のボビー・ダイナマイトさんが「この機関車は、街の繁栄や成長、アストロズを祝福するシンボルなんだよ!」と教えてくれました。ご自身も幼い頃からのアストロズファンだったそうで「特等席から試合を観られる、世界一の仕事さ!」とニッコリ。機関車を走らせるのはボビーだけの特権ですが、スタンドからは勇ましく走る車体を眺められます。

テキサスといえばバーベキュー! 肉好きにはたまらない、4種のお肉が楽しめるハンバーガーが絶品! MLBスタジアム、トップクラスの美味しさです。文化の交わりを感じられる、メキシコとの国境にあるヒューストンならでは。マルガリータと一緒に頂きます!

[その名もホームランサンドイッチ!](

アストロズの強さの秘密

世界王者の強さの秘密を探ってみると… チーム状態の良さはもちろん、ビジネスサイドの貢献も大きいことが分かりました。

ジェフ・スチュワート副社長が教えてくれた、ヒューストン市と協力して始めた「コミュニティ・リーダー・プログラム」が、とてもユニークです。アストロズの地域貢献活動に賛同する企業が集まり、チームをサポート。アストロズは、地域の子どもたちが野球をプレーしたり観戦したりする環境を整えます。家族みんなで応援に来た市民は「コミュニティ・リーダーズ」のボードを、スタジアムで目にするのです。

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福田太郎(ふくだ・たろう)/ 1991年生まれ。HTB北海道テレビ放送アナウンサー。プロ野球の実況中継や、朝の情報番組MCを担当した後、2022年2月から11月まで休職。MLB全30球団・ボールパークを訪ね、世界最高峰のスポーツエンターテイメントを学び、22年12月に復職。写真:福田太郎

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