20日開幕のサッカーU-20W杯に出場 V長崎のMF安部大晴(18) けが乗り越えて世界に挑む“長崎っ子”

「日本代表のプライドを持って戦う」と決意を口にする安部=諫早市、トランスコスモススタジアム長崎

 長崎生まれ長崎育ち。小学1年生からV・ファーレン長崎一筋のMF安部大晴が世界の舞台に立つ。20日からアルゼンチンで開催されるU-20ワールドカップ(W杯)の日本代表に選出された。「最低でもベスト16。世界一を目指して戦っていきたい」。決意を胸に、大きな一歩を踏み出す。
 W杯予選を兼ねた3月のU-20アジアカップは全5試合でピッチに立った。数字で結果を出したのは初めて先発に名を連ねた3試合目のサウジアラビア戦だった。
 前半15分、味方が左サイドでボールを持つと、後方からペナルティーエリア付近のスペースに走り込んだ。フリーでボールを受け、すぐさま前線へスルーパスを出し、MF松木玖生(FC東京)の先制点をアシスト。年上の選手たちの中で輝きを放ち、2-1の勝利に貢献した。
 日本は予選3連勝のグループ1位で進んだ決勝トーナメント1回戦でヨルダンに2-0で快勝し、W杯切符を獲得した。イラクとの準決勝はPK戦で敗れたが、この試合も120分間フル出場。最終ラインまで下がって攻撃を組み立て、好機には前線に顔を出して持ち前のパスセンスでリズムをつくり出した。
 現役高校生としてプロ契約を結んだばかりの昨季は、けがで苦しんだ。6月の天皇杯3回戦FC東京(J1)戦でプロ初ゴールを決めたが、その試合で左ひざを負傷し離脱。復帰まで時間がかかり、グラウンドに戻ったのはリーグ戦終了後の11月だった。
 チーム練習最終日に記者からプロ2年目に向けた意気込みを聞かれると「また、代表に呼ばれるように一からアピールする」と力強く語った。その言葉通り、1月のキャンプから積極的な姿勢で練習に取り組み、J2開幕戦でフル出場。日の丸のユニホームも勝ち取った。
 W杯のグループリーグはアフリカ王者のセネガル、南米3位のコロンビア、欧州2位で旋風を巻き起こしたイスラエルと対戦。強豪ぞろいだが、「日本代表のプライドを持って戦う。どんな相手でも同年代。負けられない」と決意は固い。
 長崎から世界へ-。期待を背負い、異国の地で躍動を誓う。

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