B1昇格決まる

 ヒノキ(檜)よりも葉が分厚いから「あつひ(厚檜)」と呼ばれたのが、ヒノキ科の常緑樹、アスナロの語源とされる。「憧れのヒノキに明日はなろう」という「明日なろう」説には、子どもや若者たちに憧れ、目標を抱いて育ってほしいと、期待も込められているのだろう▲バスケットボールのBリーグ3部で、長崎ヴェルカが初戦に臨んだのは2021年の秋、たった1年数カ月前のことだった。上へ上へとまっすぐに、その成長の早さといったら「驚異的」の一語しかない▲“超高速”でBリーグ2部(B2)への昇格を決めたのは昨年4月。それからほぼ1年、設立時から目標にしてきた「最短でのBリーグ1部(B1)昇格」を決めた。14日のプレーオフ準決勝での猛反撃は、目を見張るばかりだった▲明日はB2に。明日は憧れのB1に。実際にはアスナロは成長が遅いというが、長崎ヴェルカという樹木は「明日なろう」の高みに猛スピードで達した▲目の前の目標は決勝を制することだが、さて、その次は。「バスケ熱で長崎の皆さんに新しい楽しみとわくわくを感じてほしい」という関係者の言葉が熱い▲B1でも上へとまっすぐに伸び、「あつひ」、県民の応援という分厚い枝葉をぐんぐん茂らせる。アスナロの木には、まだまだ楽しみな明日がある。(徹)

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