「真剣に面白がることは意外と難しい」 絵本作家・鈴木のりたけさん、児童にメッセージ

自身の絵本をジェスチャーを交えて朗読する鈴木さん(京田辺市大住・大住小)

 京都府京田辺市大住の大住小で創立150周年を記念した催しがあり、絵本作家・鈴木のりたけさんが「おもしろがると世界はひろがる」と題して講演した。ユニークな作品制作の裏側を明かし、児童たちに「真剣に面白がる」大切さを伝えた。

 鈴木さんは「大ピンチずかん」「しごとば」などの作品で知られる。過去に新幹線の運転士をしていたことにちなみ、新幹線の絵描き歌を実演して、会場を沸かせた。

 絵本「す~べりだい」を自ら朗読し、制作時のメモを披露した。「滑り台をいかに面白がるかに頭を凝らした。真剣に面白がることは頭も体もエネルギーを使い、意外と難しい」と語った。円と棒の紙を組み合わせ、想像力豊かに形をつくるワークショップでは「頭の中でいろいろと想像して。面白いことがどんどん増えていきますよ」と児童に語りかけた。

 講演に先立って記念式典があり、1873(明治6)年に進徳校として創立した学びやの節目を地元住民と一緒に祝った。6年の女児(11)が児童を代表し「先輩方や私たちにとって、大住小が思い出の場所としていつまでもここにあり続けますように」と述べた。

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