北陸三大祭りの一つで、福井県指定無形民俗文化財の坂井市の「三国祭」は5月20日、中日を迎え、呼び物の山車(やま)6基や神輿が三国町旧市街地を練り歩いた。祭りは熱気に包まれ、新型コロナウイルス禍前の盛況を取り戻した。
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大勢の見物客が詰めかける中、山車は正午を目がけて三國神社前に集結。奉納を終えた午後1時ごろ、岩崎区の「新選組 吉村貫一郎」から順に出発した。舟神輿も4年ぶりに復活し、大神輿とともに続いた。
山車は、男衆の「とりー」「おもー」の巧みなかじさばきで、細い路地を縫うように練り歩いた。6メートル超えの巨躯はきしきしと音を立てながら、豪快な急旋回も披露した。
上西区の「猩々」の後ろかじ責任者、牧野泰久副団長(43)は「言い回しや声の大きさで、かじを微調整したり士気を高める。自分たちの技を若い後継者に伝えるのが役目」と話していた。
露店やキッチンカーが並ぶ通りに子どもたちの元気なお囃子が鳴り響き、湊町は夜まで活気にあふれた。