高岡「森の住まい」9月閉鎖 イセ食品法的整理で影響

9月に閉鎖される方向となった高齢者介護・交流施設「森の住まい」=高岡市福岡町江尻

  ●福岡町の介護・交流施設

 鶏卵大手イセ食品(東京)のグループ企業が高岡市福岡町江尻で運営してきた高齢者介護・交流施設「森の住まい」が、9月末に閉鎖する方向となったことが20日分かった。関係者によると、イセ食品などの法的整理の影響で運営が困難になったためで高齢者は他施設へ移ることが余儀なくされた。

 「森の住まい」は、高齢者向けのサービス付き賃貸住宅10室を備え、通所や宿泊利用が可能な小規模多機能型居宅介護サービス(定員25人)を提供。美術品の展示スペースや茶室があり、地域のイベントや交流の場としても使われてきた。関係者によると、近年の収支は赤字で、イセ食品グループの支援で運営を継続してきたが、法的整理の影響で支援が滞り、閉鎖することになったという。

 施設の運営会社「伊勢彦」(東京)社長の伊勢彦信氏は「利用者に申し訳ないが、閉鎖が避けられない状況だ。法的整理は今も不適切だと考えている」と述べた。

  ●「イセ」清算へ

 イセグループを巡っては、管財人の弁護士らが10社の法的整理を進め、今春に東京地裁から事業再生に向けた計画の認可を受けた。主に飼料を扱っていたイセ(高岡市)は20日までに清算手続きに入り、今月11日に管財人が代表清算人として登記された。

 イセ食品に関しては、伊勢氏の長男の俊太郎氏と債権を持つあおぞら銀行(東京)が昨年3月、会社更生手続きを申し立てた。

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