久保途中出場で2点目演出のソシエダが24連敗中の鬼門で会心の勝利! 優勝決定後初戦のバルセロナは今季ホーム初黒星に《ラ・リーガ》

写真:Getty Images

ラ・リーガ第35節、バルセロナvsレアル・ソシエダが20日にカンプ・ノウで行われ、アウェイのソシエダが1-2で勝利した。なお、ソシエダのMF久保建英は58分から途中出場した。

バルセロナは前節、エスパニョールとのダービーに4-2の快勝。チャビ体制で初となるプリメーラ制覇を成し遂げた。優勝決定後、最初のホームゲームで王者に相応しい姿を示したいブラウグラナは、前節から先発3人を変更。サスペンションのガビと負傷のアラウホ、ペドリに代えてジョルディ・アルバ、ケシエ、デンベレを起用した。

対する4位のソシエダは前節、久保がPK奪取に1アシストと圧巻のパフォーマンスを披露したが、ジローナに2点差を追いつかれて痛恨のドローとなった。今節先に試合を行った5位のビジャレアルに暫定2ポイントに迫られ、悲願のトップ4フィニッシュへより圧力を受ける中、今季公式戦2戦2敗の王者相手に敵地での勝利を目指した。前節からは先発5人を変更し、負傷でベンチ外のダビド・シルバに加えてオヤルサバル、久保らがベンチスタート。代わってチョやバレネチェア、イジャラメンディが起用された。

祝賀ムード一色のカンプ・ノウでの上位対決。試合前にパシージョで王者への敬意を示したソシエダだが、キックオフの笛が鳴った後は勝ち点奪取へ勢いを持って入った。

すると、開始5分には最後尾のDFクンデに圧力をかけてボールを奪い切ったセルロートがショートカウンターを発動。ボックス付近DF2枚を引き付けて間を通す横パスを供給すると、ボックス中央に走り込んだメリーノのシュートがGKテア・シュテーゲンの股間を抜いてゴールネットに突き刺さった。

開始早々の失点によって守護神のクリーンシート記録更新は次節以降に持ち越しとなったホームチームは、すぐさま反撃を開始。15分にはハイプレスで相手のビルドアップミスを誘発し、ボックス右ライン際でレヴァンドフスキが折り返したボールをファーのデンベレが頭で合わすが、これはGKレミロの好守に遭う。また、直後にはボックス内に侵入したケシエに2度の決定機が訪れるが、相手DFの身体を張った守備に阻まれた。

一方、先制後はセルロートを起点にカウンターで追加点を狙うソシエダ。30分過ぎにはセルロートのボックス左での正確な折り返しからボックス内フリーのチョにビッグチャンスが舞い込むが、ここはGKテア・シュテーゲンの足を使ったビッグセーブに遭う。直後にもバレネチェアに決定機が訪れるが、これも枠に飛ばせない。

前半終盤にかけてはデンベレの個人技を起点にバルセロナが優勢に試合を進めたが、ペドリやガビの不在もあって最後の局面で精度、アイデアを欠いてゴールをこじ開けるまでには至らなかった。

迎えた後半、バルセロナはややプレーに精彩を欠いたクンデを下げてマルコス・アロンソを投入。立ち上がりからボールを握って押し込んでいくが、前半同様に最後の局面でうまくいかない。

一方、守勢のソシエダは58分、イジャラメンディとチョを下げてゴロサベルと久保を同時投入。この交代で[5-3-2]に並びを変え、久保は2トップの一角に入った。その久保は投入直後にゴロサベルのシュートチャンスをお膳立てすると、66分にはボックス右付近で自ら得たFKの場面でファーを狙った正確なクロスで決定機を演出。だが、フリーのセルロートはヘディングシュートを枠に飛ばせない。

その後、しばらくはケシエとハフィーニャを下げてフェラン・トーレス、アンス・ファティの2枚替えを敢行したバルセロナのペースで試合が進んだが、前半同様に一瞬の隙を見逃さないアウェイチームがロングカウンターで仕留めた。

72分、久保とバレネチェアの寄せでバランスを崩したフレンキー・デ・ヨングをスビメンディが潰してロングカウンターを発動。スビメンディからボールを引き取った久保がDF3枚を引き付けながらドリブルで前進し、左を並走するスビメンディに繋ぐ。そして、スビメンディから逆サイドでフリーのセルロートにラストパスが送られると、最後はGKとの一対一を冷静に制した。

久保も絡んだ見事なカウンターから貴重な追加点を手にしたソシエダは、カードトラブルや疲労を考慮して続けて交代カードを切っていき逃げ切り態勢に。それでも、カウンターの局面では3点目を狙う意識は持ち続け、81分にはボックス中央でボールを受けた久保が決定的なシュート。だが、これはDFバルデの好ブロックに阻まれて恩返し弾とはならず。

その後、エリック・ガルシア、パブロ・トーレの投入で交代カードを使い切ったバルセロナは、土壇場の90分に右サイドで見事な仕掛けを見せたフェランの正確なクロスをボックス中央のレヴァンドフスキが頭で合わせ、1点を返す。しかし、5分のアディショナルタイムで同点に追いつくことはできなかった。

この結果、リーグ戦24連敗中だった鬼門カンプ・ノウで、1990-91シーズン以来となる会心の勝利を収めたソシエダが、トップ4フィニッシュへ重要な勝ち点3を手にした。一方、優勝直後の試合というメンタル面の難しさも影響したか、バルセロナは今季リーグ戦でホーム初黒星を喫することになった。

© 株式会社シーソーゲーム