「米粉は料理に合わせて選ばないと失敗する」 米粉インストラクターが語るその理由とは

 米粉の良さを紹介する「米粉インストラクター」でiicome合同会社(京都府綾部市)代表社員の宮園ナオミさんが、京都府亀岡市で「米粉を知ろう!」をテーマに講演した。米粉は製品により性質が大きく異なるため、使い分けで小麦粉同様に調理できることなどを紹介した。

 宮園さんはまず「米粉に出合うと小麦粉は要らなくなるが、料理に合わせて正しく選ばないと失敗する」と説明。米粉は製粉の仕方によって粒子の傷「デンプン損傷率」の違いがあり、「損傷率が高いと表面積が大きくなりスポンジのように水を吸い込む」と解説した。実際に4種類の米粉に同量の水を混ぜる実験をすると、損傷率の低い粉はさらさらに溶け、損傷率の高い粉はぼそぼそになるなど大きな違いが出た。

 損傷率の低い米粉は「たこ焼きやケーキなどに適していて、市販では『製菓用』などと表示されている」と見分け方も教え、その他の米粉は「シチューやグラタン、カレーのとろみ付けなどによい。小麦粉より油を吸いにくいので天ぷらや唐揚げにも適している」と話した。

 米粉で料理をする時のこつとして「水分量をレシピより若干少なめにして、様子を見ながら微調整することができれば、失敗なく料理ができる」とアドバイス。ポンせんべいを細かく砕けばパン粉の代わりに使えることなども紹介した。

 また小麦粉は消化しにくいグルテンを含み摂取すると消化酵素が多く働く分、代謝酵素の働きが弱まるといい「グルテンを含まない米粉を使えば体に負担のない食生活になり代謝も上がる」と説明。必須アミノ酸も小麦粉より多いとして「糖質制限ダイエットでコメを食べない人もいるが、コメとみそなどの大豆製品でタンパク質は十分取れる」とPRした。

 コメは現在は国内で自給できるが、安い米価や高齢化のためコメ農家は危機的な状態にあることも指摘し「安い海外産の小麦を選ぶより、米粉や、小麦粉でも国産を選ぶことが未来への投資となる」と呼びかけた。

 15日、亀岡市の保津浜テラスのイベントで講演した。

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