宮古対局に岩手県内熱視線 将棋・叡王戦、三陸発信の一手にも

28日の開催が迫る叡王戦の第4局を前に、実力を高め合う山田将棋愛好会の会員ら=山田町長崎

 将棋への関心が岩手県内で高まっている。第8期叡王戦5番勝負第4局(28日、宮古市・浄土ケ浜パークホテル)の開催が迫り、盤上の名勝負に対する愛好者の期待値は日増しに上昇。本県初のプロ棋士小山怜央四段(釜石市出身)が参加する大盤解説会に熱視線を送る若者もいる。タイトル戦を機とした競技人口拡大への追い風も受け、商工関係者は三陸の魅力発信へ入念に準備を進める。

 「いい手だ」「局面が変わった」。山田町の山田将棋愛好会(川村誠会長)の定例会。土曜の昼下がり、会員ら10人が長崎地区の飯岡コミュニティーセンターに集まり、培った腕前を盤上で確かめ合う。

 隣の宮古市で10年ぶりに開かれるタイトル戦は、3連覇まであと1勝に迫る藤井聡太六冠(20)に、菅井竜也八段(31)が挑む。同町境田町の関晃さん(67)は「挑戦者が1勝を挙げ、4局目に持ち込んでくれて本当に良かった。歴史的な一場面が、宮古で達成されるかもしれない」と胸を高鳴らせる。

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