21日、ウクライナ・ゼレンスキー大統領が広島市の原爆資料館を視察した際、被爆者の小倉桂子さんと対話したことが分かりました。小倉さんは19日にG7首脳が資料館を訪れた際にも、自身の被爆体験を伝えていました。
21日、記者の取材に対して小倉さんが明かしたもので、小倉さんは「ゼレンスキー大統領に自分の被爆体験をお話しできてうれしかった。広島に住む被爆者として、お役目が果たせてうれしかった」と大統領との対話を振り返りました。
小倉さんは8歳のとき、爆心地から2.4キロの自宅そばで被爆。現在は通訳者グループの代表を務め、海外から訪れる政治家や平和運動家らの依頼を受けて、被爆者たちの証言を通訳するほか、自らの被爆体験も英語で発信しています。
夫で、原爆資料館の館長だった故・小倉馨 さんが亡くなったことをきっかけに、亡き夫に代わって世界中の人たちに英語で平和への思いを伝える活動をしています。
小倉さんは19日のG7首脳との対話後のインタビューで、ゼレンスキー大統領との対話がかなえば何を伝えたいかと問われ、「子どもたちを守ってくださいとお願いしたい。その方法を考えてくださいと直接申し上げたい」と話していました。
ゼレンスキー大統領は21日午後5時半ごろ、G7サミットの主会場から平和公園に移動し、原爆資料館を視察。視察後の夜の会見で、原爆資料館で見た被爆直後の広島の写真などが「ウクライナの街と似ていると感じた」などと語っていました。