管理困難な茶畑活用、茶摘みを体験イベントに 臼杵市野津町の農家らが計画【大分県】

モニター体験会で青々とした新芽を摘み取る会員=臼杵市野津町八里合の茶畑

 【臼杵】臼杵市野津町の地元農家らでつくる「市グリーンツーリズム研究会」(森尾真二会長)は、管理が難しくなった地域の茶畑を体験活動の受け入れ地として活用しようと計画している。茶摘み体験のプログラム化で、課題を検討した上で来年度から一般参加者を募る予定。

 研究会は2011年、都市住民との交流や地域の活性化を目的に発足。農産物の収穫や料理教室など季節ごとの体験型イベントを中心に活動している。

 茶摘みのプログラム化は森尾会長(72)が、同町八里合に茶畑を所有する住民から「道幅が狭く茶を摘み取る機械を畑まで入れるのが難しいため、委託業者に管理を断られた畑がある。放棄するしかないのだろうか」と相談を受けたことがきっかけ。茶の手摘みを体験プログラムにできないかーと会員に提案した。

 今月上旬にはこの茶畑(約10アール)で、会員によるモニター体験会を開いた。参加した10人が青々と育った新芽を摘み取り、2時間で約80キロを収穫。近くの加工場に持ち込んだ。

 作業後、プログラム化に向けての課題や必要な作業について議論。「年2回程度、会員による整枝作業が必要」「地元の茶園と共同で、地域経済の循環につなげる仕組みがつくれないか」といった意見が出された。

 森尾会長は「うまくいけば農村での自然体験を求める人と、茶畑を守りたい地域とのウィンウィンの活動になる」と期待した。

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