豪雨で被災「オダニの車橋」修復完了 由布市庄内町住民ら、式典で祝う【大分県】

修復工事を終えた「オダニの車橋」=21日午前、由布市庄内町櫟木
完成記念式典に出席した関係者

 【由布】2020年7月の豪雨で被災した由布市庄内町櫟木にある「オダニの車橋」(県指定有形文化財)の修復工事が終わり、21日、現地で記念式典があった。住民らが地域の貴重な文化財の完成を祝った。

 橋は石造りのアーチ橋(長さ約12メートル、幅約3メートル)。江戸時代後期の1848年に完成したという記録が残る。

 20年の記録的豪雨で欄干などが流失。修復には所有者の自治区が経費の4分の1となる約100万円を負担しなければならなかった。多額のため一時は断念する声もあったが、民間企業や地元住民の寄付により負担金を確保できた。1月から工事を始め、3月末に完成した。

 式には関係者22人が出席。甲斐均区長(72)が「貴重な地域の宝である橋の保護活動に一層努め、後世に伝えていく」とあいさつ。寄付をしたピーエム工業(大分市)の首藤栄治社長、吉本本家石材店(宇佐市)の吉本幸成社長らに感謝状を贈った。

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