盛岡赤十字病院の誘致計画が波紋 滝沢市長の公約巡り

 盛岡赤十字病院を滝沢市に誘致する計画が波紋を広げている。昨年11月の市長選で誘致を公約の柱に掲げた武田哲市長は「10年以上かけて理解を得る」と強調する。病院がある盛岡市の市議らは日本赤十字社(日赤)など関係機関との事前協議がなかったことを問題視し、存続を求める会を設立。日赤は「具体的な話を受けていない」としており、先行きは不透明だ。

 武田市長は市長選で「盛岡赤十字病院の誘致を目指す」ことを公約の柱とし、初当選を果たした。多くの地元住民から賛同を集めるが、盛岡市の市議らは関係機関との事前協議がなく、広域医療の枠組みが崩れかねないことを問題点とし、1月に「現在地での存続を求める会」を立ち上げた。

 野中靖志市議ら一部メンバーは4月中旬、武田市長に「都南地区を中心に盛岡市民が困惑している」と伝え、協議状況を質問した。

 武田市長は「選挙前は協議しなかったが、就任後に日赤県支部の関係者に思いを伝えた」と説明。「病院誘致は簡単ではない。10~15年のスパンで考える」との認識を示した。

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