車内に子ども残し「キー閉じこみ」、1年間で36件 青森県内JAF救援要請 熱中症の時期注意を

気温35度のときにエンジンを止めた乗用車内の熱中症指数の推移(JAF提供)

 日本自動車連盟(JAF)青森支部は21日までに、車内に鍵を残したまま外に出て誤ってドアをロックしてしまう「キー閉じ込み」の救援要請で、子どもが車内に残されていたケースが2022年度に県内で36件あった-と明らかにした。20、21年度の各25件から増加した。外気温が25度以下でも車内温度は40度を超えることがあり、今の時期でも熱中症のリスクが高まるとして、JAFは注意を呼びかけている。

 JAFによると、36件の救援要請は、車の不具合や車内に残された子どもが鍵を触ってロックされたことなどが原因。自宅外で発生したケースが大半で、鍵穴から機器を使って解錠したり、緊急性が高い場合はドアガラスを割ったりして子どもを救出した。運転手は「短時間であれば大丈夫」「子どもが寝ているから起こしたくない」などの理由から車内に子どもを残したまま車を離れていたという。

 JAFは車内での熱中症の危険性を検証。外気温23~24度で、エンジンを切った状態の車内温度(開始時25度)の変化を測定した。開始10分で8.6度上昇、20分後には12.7度上がり、1時間後の車内温度は43.5度に達した。熱中症リスクを数値化する暑さ指数(WBGT)を使った別の検証では、気温35度の炎天下に駐車した車内は15分でリスクが最も高い「危険」レベルとなった。

 JAF青森支部の三橋一仁さんは「気温がそれほど高くない今の時期でも、車内温度はすぐに上がり、子どもが車内に残されると脱水症状や熱中症になる危険性が高まる。短時間でも子どもを車内に一人にしないでほしい」と警鐘を鳴らした。

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