G7首脳とゼレンスキー大統領も訪れた原爆資料館 英スナク首相「深く心動かされた」 来館者増える見込み

サミットが終わり、広島にも日常が戻りつつあります。原爆資料館は、22日から通常通り開館しています。

フェンスで囲まれていた広島市の平和公園一帯は21日夜、立ち入り制限が解除されました。

広島市民は
「歴史的なことがここであったと実感。未来を生きる子どもを連れて一度、来たいと思って、きょう、ここに来ました」
「岸田総理もそうとう大きいことをされたと思いますよ」

休館していた原爆資料館には22日朝、開館前から国内外からの観光客などで長い列が…。開館するのは4日ぶりで、資料館ではサミットをきっかけに来館者が増えることを見込み、7月末まで開館時間を1時間延長します。

来館者
「(出張中だが)きのう、G7が終わって資料館が開いていたということで来てみた。こうした経験を後の世代に伝えていきたいと思う」

資料館には、アメリカのバイデン大統領などG7や「招待国」の首脳たちのほか、21日午後には、ウクライナのゼレンスキー大統領が訪れました。

館内で見学した様子は全て非公開でしたが、自ら語る首脳も…。

イギリスのスナク首相は、21日の記者会見で、原爆で亡くなった子どもの遺品「伸ちゃんの三輪車」などに触れて、「深く心を動かされた。ここで起きたことを決して忘れないと決意した」と述べました。

インドのモディ首相は、被爆写真を真剣な表情で見つめる姿を公開しました。

アメリカのバイデン大統領は、平和公園を訪れたことについてこう述べました。

バイデン大統領(21日)
「核戦争の悲惨な現実と、平和を築くための共通の責任を思い知らされた」

資料館の中では被爆者の 小倉桂子 さん(85)が、G7や招待国の首脳たちと面会しました。21日はゼレンスキー大統領とも対面しました。小倉さんが原爆被害の様子などを説明すると、ゼレンスキー大統領は終始、厳しい表情で聞いていたということです。

21日にゼレンスキー大統領と面会した被爆者 小倉桂子 さん(85)
「泣きそうになりました。だって(ゼレンスキー大統領は)必死で泣くのをこらえているだろうと思ったから。短い時間でも彼に広島の人の気持ちを感じていただいた。本当に自分の国のことを思ったと感じた」

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