「子供の声聞き、伴走を」 不登校テーマに学習会 専門家がアドバイス

子どもを理解することの重要性をテーマに講演する福井さん(滋賀県彦根市・南地区公民館)

 滋賀県彦根市のNPO法人「フリースクールてだのふあ」は20日、不登校問題をテーマにした学習会を同市の南地区公民館で開いた。日本臨床教育学会副会長の福井雅英さん(近江八幡市)が講演し、「子どもがどう生きているのか」を理解しながら接することの重要性を強調した。

 福井さんは、教育関係者や保護者ら約40人を前に登壇した。荒れていた県内の中学校の教諭時代、校内外で昼夜、生徒たちと向き合った経験を語った。

 番長だった教え子が高校進学を決意し、建築設計士となったエピソードを紹介。「教師は生徒をかわいいと思い、芽を出し花を咲かすのを援助するのが仕事」とし、「一人一人がどんな思いで学校に来ているのかに思いをはせ、その子がどうしたいと思っているのかを知ることが大切。声を聞いて答え、伴走することが非常に重要だ」と説いた。

 さらに、子どもも教師も楽しい学校をつくるために「子どもが今を生きていることに充実感を抱くよう、主体を回復させることが大切」と指摘。親や教師が子どものことを考えると元気になる時間や環境づくりが必要とし、「大人が子どものために力を合わせる姿を見せることも、子どもが信頼を寄せることにつながる」とした。

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