働きたい難病患者どう支える 岩手県内、増える求職者

難病と闘う理学療法士の高橋舞さん。周囲の理解を得ながら働いている=奥州病院

 就労を望む難病患者が岩手県内で増えている。ハローワークを通じた2022年度の求職者は102人で、18年度に比べて約1.6倍に。医療の進歩に伴い治療と仕事の両立が可能となってきた。だが、指定難病であっても比較的症状が軽く、障害者手帳のない患者は雇用義務の対象から外れ就労を諦めるケースもある。23日は「難病の日」。誰もが活躍できる社会の実現へ、支援団体は「企業側の理解が広がってほしい」と声を上げる。

 奥州市水沢の奥州病院。ベッドが並ぶリハビリ室で、理学療法士の高橋舞さん(37)=同市水沢=が患者に優しいまなざしを向ける。難病の重症筋無力症(MG)の治療をしながら、1日に患者10人ほどのリハビリに当たっている。

 高橋さんが発症したのは30歳の頃。腕に力が入らず、当時2歳だった息子を抱っこすることができなくなった。夕方になると、まぶたが落ちて目を開けていられなくなる。典型的なMGの症状だった。

 症状には波があり、問題なく動けるときや、全身が痛むときもある。仕事を続けられたのは職場の理解があったから。定期的な治療入院が必要なため、障害者手帳は持っていないが病気について職場に伝えることを意識するようになった。動けない時は休憩させてもらうなど、配慮してくれる上司や同僚に感謝が尽きない。

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