廃校ウェディング 元地域おこし協力隊が移住先で 千葉・大多喜

旧老川小の校庭でフラワーシャワーで祝福される新郎新婦=大多喜町

 千葉県大多喜町の地域おこし協力隊員だった男性が、廃校になった町内の小学校施設で結婚式を挙げた。式当日は校庭でマルシェイベントが開かれていて、一般来場者も一緒に新郎新婦の門出を祝福した。

 挙式したのは3月まで協力隊で林業に携わっていた坂倉庸介さん(41)と児童福祉施設で働く美和さん(42、旧姓浅井)。2年前に知り合い、今月上旬に婚姻届を提出した。旧老川小施設を協力隊の活動拠点にしていたことから、多目的ホールで人前式を挙げることにした。

 二人は約100人の列席者を前に愛を誓い合い、式は滞りなく進行。校庭の隅にオリーブの木を記念植樹するため外に出ると、通路の両脇に集まったイベント出店者や来場者が「おめでとう」の声とともに拍手やフラワーシャワーで祝福。新郎新婦は腕を組み笑顔いっぱいで幸せそうに歩いて行った。

 千葉市緑区から移住した坂倉さんは「子どもの頃の原風景が残っていて、こんなに居心地がいい場所はない」と感じる町内で特殊伐採の仕事を続ける。「大多喜の人たちのおかげでいまがある。式を見てもらえてありがたい」と式前に話し、大勢の人たちに見守られて式を終えると「ほっとしました。こんなに盛り上がるとは思わなかった」と喜んでいた。

旧老川小の校庭で結婚式列席者やイベント来場者らと一緒に記念写真を撮る新郎新婦(中央)

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