手つかずの自然、初の観察会 青森・むつ市教委、海自管理地「芦崎」で

巣穴から出たアシハラガニ。周りに見えるのはウミニナ
海面から管をのぞかせるツバサゴカイの巣。この管はU字状につながっている
小さな4枚の花をつけるマイヅルソウ。秋には赤い実をつけるという
波のない海面では釜臥山が映り込む「逆さ釜臥山」が見られた
波の浸食で根元の砂が洗われたマツ。波の届く範囲が広がっていることが分かる

 むつ市教育委員会は21日、砂嘴(さし)地形で知られる同市の芦崎で初の自然観察会を開いた。芦崎は海上自衛隊の管理地で普段は立ち入れないが、市民28人は油桟橋から先端まで約1.5キロを散策し、手つかずの自然を満喫した。

 参加者は、砂浜に巣穴を掘って暮らすアシハラガニやコメツキガニを観察。海面や干潟からストローのような管を2本のぞかせているツバサゴカイの巣も目にした。砂浜や森にはハマナス、ハマエンドウ、マイヅルソウなどの花が咲き、参加者が写真に収めていた。

 芦崎は、真正面から釜臥山を見ることができる貴重なスポットでもある。この日は散策途中に山頂の雲が晴れ、波が穏やかだったことも重なり「逆さ釜臥山」が見られた。

 初めて砂嘴の先端まで来たという同市の本間まゆみさん(66)は「先端まで行ってみたいと思っていたので感激している。対岸から見ている植生と全然違って驚いた」と話した。

 市教委は8月、10月、来年2月と市内で自然観察会を行う予定。

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