【タイ】家計債務の膨張が深刻化の恐れ=NESDC[経済]

タイ国家経済社会開発委員会(NESDC)のダヌチャー長官は先ごろ、雇用状況が悪化し、景気が鈍化した場合、家計債務の膨張が深刻な問題になる恐れがあると警告した。家計債務膨張は消費拡大を阻害するため、債務再編が必要だと訴えた。バンコクポストが23日報じた。

2022年末の家計債務の総額は15兆900億バーツ(約60兆4,000億円)となり、1年前から3.5%増加し、対国内総生産(GDP)比は86.9%だった。特に不動産ローン、消費者ローンが拡大した。家計債務の不良債権(NPL)比率は2.62%だった。

ダヌチャー長官は、下院総選挙で勝利した政党が最低賃金引き上げを計画していることについて、労働者の所得を向上させる一方、生産コストの引き上げ、タイへの海外直接投資(FDI)の減少につながると指摘。各地の事情に応じて賃金を決めるべきだとの考えを示した。

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