京都と大阪知事そろい踏み、北陸新幹線敦賀以西着工へ「積極的に協力」 東京で建設促進大会、福井知事が参加歓迎

北陸新幹線の早期全線開業を国に求めていくことを確認した(右から)吉村洋文大阪府知事、西脇隆俊京都府知事、杉本達治福井県知事、関西広域連合長の三日月大造滋賀県知事=5月23日、東京都港区の明治記念館

 北陸新幹線の沿線10都府県でつくる同盟会の建設促進大会が5月23日、東京都内で開かれた。京都府の西脇隆俊知事、大阪府の吉村洋文知事が初めてそろって出席。難工事が予想される敦賀―新大阪間の認可・着工に向けた本年度調査に「積極的に協力したい」と口をそろえ、同盟会として関西の機運醸成を図りつつ早期の全線開業を国へ求めていくことを確認した。

 同盟会会長の杉本達治知事や沿線知事、地方議会関係者、国会議員、経済界の来賓ら計約280人が出席した。同大会に京都府知事が出席するのは2018年以来5年ぶり、大阪府知事は昨年5月以来。

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 西脇知事は「全線開業は関西全体の発展につながる国家プロジェクト」と強調し、国などに対し自然環境や文化財に配慮した調査と丁寧な地元説明を要望。JR在来線や山陰新幹線の整備も求めた。吉村知事は早期に駅位置を確定することを求め「事業費や工期を精査し、地元の理解を得ることが重要」と指摘。関西の機運醸成に役割を果たすと述べた。

 福井県の杉本達治知事は着工後に行う調査を前倒しするため、本年度政府予算に約12億円が計上されたことについて、「小浜・京都ルートを早期開業させるための調査費。駅位置や詳細ルートなどを明らかにしながら、着工5条件の早期解決を図ることが重要な時期だ」と指摘。与党の敦賀・新大阪間整備委員長の高木毅自民党国対委員長は「認可の時期を今申し上げるのは難しいが、調査を着々と行っており、大阪開業は遅れないと担保できると思っている」と述べた。

 決議では、敦賀以西について▽調査費を活用し開業までの期間を最大限短縮する▽駅位置・詳細ルートの情報や、認可・着工と全線開業に向けたスケジュール感を早急に明らかにする―など5項目を盛り込んだ。これまで要望していた「北海道新幹線札幌開業ごろまでに大阪までを整備する」との記述は、環境影響評価の遅れを踏まえて外した。

 杉本知事は大会後の取材に「沿線全体として全線開業に最大限努力すると発言があり心強かった」と、京都、大阪両府知事の参加を歓迎。決議に全線開業の時期を明示しなかったことについては「現実的な時期を考えなければならない。沿線全体で話し合って具体的な時期は外した。一日も早い開業を求める」と述べた。

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