別府短編映画制作プロジェクト 第5弾はお笑い芸人・徳井義実が監督【大分県】

「喝采は聞こえない」の撮影=別府市浜脇のJR東別府駅
意気込みを語る監督の徳井義実=別府市のB―biz LINK

 別府短編映画制作プロジェクトの第5弾は、お笑いコンビチュートリアルの徳井義実が監督することが決まり17日、別府市のB―biz LINKで製作発表があった。2023年中の完成を目指す。

 タイトルは「喝采は聞こえない」。別府市内の劇団に所属する売れない俳優が主人公。彼女に訪れた転機にスポットを当てた物語。主演は福岡を中心に活動するガールズユニット「トキヲイキル」の岸田麻佑が務める。

 5月中旬に浜脇、北浜地区などでロケ。同市上田の湯町の別府市公会堂では劇団公演のシーンが撮影され、市民など約200人がエキストラとして出演した。

 徳井は2007年にフェイクドキュメンタリー作品「nijiko」を監督。今作では脚本、撮影、編集などを担当。多才ぶりを発揮している。

■「お笑いとは別の充実感」

 「喝采は聞こえない」の撮影を終えた徳井義実監督が、製作発表会で作品にかける思いを語った。

 ―今の感想をお聞かせください。

 「アットホームな現場で集中して映画作りに取り組めました。お笑いとは別の充実感を得ることができました」

 ―どのような作品ですか。

 「日本人では初志貫徹という考えが美徳とされています。でも今進んでいる道に対して違和感を覚えたら、別の道を選んでもいいのではないかということを描きました」

 ―心がけていたことはありますか。

 「それぞれのシーンをつなげた時に、どんな雰囲気になるかということを考えながら作りました」

 ―監督の他、撮影などもこなされています。

 「カメラが好きだということもありましたが、撮影を担当することはセールスポイントになると考えました。音声さんや照明さんには迷惑をかけましたが、僕なりの映像が撮れたのかなと思います」

 ―印象的なエピソードがあったら教えてください。

 「斎藤工監督の『ふちいし』で主演した安部賢一さんが、別府市公会堂での撮影にエキストラとして参加してくれたことが心に残っています。急きょ、劇団主宰者の役で出演していただきました」

 ―ファンに一言お願いします。

 「物語の展開が予想できない誰でも楽しめる作品になる予定です。特に何かを諦めたことで後ろめたさを感じたことがある人にも見てほしい。楽しみにしていてください」 

© 有限会社大分合同新聞社