コロナ5類移行「脱マスク」動き緩やか 非着用率19.6%、別府駅で定点観測【大分県】

5類移行から2週間の22日午前9時半ごろ、マスク姿の利用客が目立つJR別府駅の中央改札口=別府市
マスク非着用率の推移

 【別府】新型コロナウイルス感染症の「5類移行」から22日で2週間がたった。大分合同新聞がJR別府駅でマスクの使用状況を定点観測した結果、移行後の非着用率は平均19.6%だった。移行前日までの平均14.1%と比べると、5.5ポイント増にとどまった。政府は3月以降、ラッシュ時の車内以外の着用は「個人の判断」としているが、公共交通機関での脱マスクの動きはまだ緩やかと言えそうだ。

 5類移行は今月8日。感染症法上の位置付けが季節性インフルエンザと同等に引き下げられ、患者の入院措置、自宅待機要請などの特別な対応はなくなった。政府はマスク着用を「個人や事業者の判断に委ねる」としている。

 別府駅での定点観測は、本年度最初の月曜日で会社などが本格始動した4月3日から始めた。初日にマスクをしていなかったのは期間中最少の1人(非着用率1%)。その後、徐々に増え、大型連休中に20人台が初めて3日間続いた。

 5月8日の移行日は9人と急減。翌日以降は20人台が珍しくなくなり、14日の日曜日には最多の32人を記録した。17日以降は10人台と少ない傾向が続く。脱マスクは徐々に進んでいるが、今も大多数は着用している。

 別府市中心部の百貨店へ向かっていた市内内竈の村山弘さん(64)は市販品の上に布をかぶせた手製のマスクを着用していた。「インフルエンザと同じと言われても、今もコロナはより恐ろしく感じる」。1年後も半分程度の人はマスクを続けるのではとみる。

 大分市から通学する女子専門学生(19)は自宅近くのバス停で着け、そのまま一日過ごす。「学校はまだマスクをするよう言っている。花粉症対策でも着けるから、特に外したいとも思わない」。5類移行後、車内の風景が変わったようには感じないという。

 一方、ノーマスクで改札を出た同市の20代女性会社員は手にマスクを握っていた。息苦しさが苦痛で日常的に外しているが、仕事先に着く前にマスクをするという。「車内の感染リスクも視線も気にならないが、職場だけ配慮を続けている」と話した。

<メモ>

 調査方法は、中央改札口を出る人、入る人の双方の計100人を対象に、マスク着用の有無をカウントした。毎日、午前7~9時台の任意の時間帯に実施。期間は4月3日~5月22日まで。

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