「生きています」貨物船から転落の男性 一晩たって無事保護 島民に電話借り通報も記憶あいまい 広島

23日午後1時半ごろ、広島県福山市から山口県周南市に向かっていた貨物船から、30代の乗組員男性が行方不明になったと118通報がありました。男性は、一晩たった24日午前8時ごろ、尾道市の島で発見されたということです。

徳山海上保安部によりますと、23日午後1時半ごろ、広島県福山市から山口県周南市に向かっていた貨物船「新豊周丸」から、乗務員で一等航海士の男性(38)が行方不明になったと118通報がありました。

貨物船は、23日午前3時すぎ、福山市の福山港を出港していて、6人が乗船。午前11時すぎの当直交代時間になっても男性が現れず、船内にもいなかったことから、徳山海上保安部などは男性が海に落ちたとみて行方を捜索していました。

その後も男性の行方は分からないままでしたが、通報からおよそ19時間後の24日午前8時ごろ、男性本人から「生きています」「私が本人です」と通報があったということです。

男性は、尾道市の細島から通報していて、駆けつけた尾道海上保安部に保護され、三原市内の病院に搬送されました。

尾道海上保安部によりますと、保護された際、男性に大きなけがはなかったということですが、記憶が断片的で、転落時やその後の状況について詳しく話ができない状態だったということです。

男性は島の住民に助けを求め、借りた携帯電話で通報したということで、男性を発見した島の住民は通報時、「男性が泳ぎ着いて、寒さを訴えている」と話していたということです。

男性が発見された午前8時ごろ、周辺の海域は、波は穏やかで水温は19℃ほどでした。

尾道海上保安部は、男性の回復を待って、転落時の様子などを聞き取ることにしています。

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