定年過ぎて果たした快挙「もう一度野球がしたかった」13季ぶりVの京都・花園大学監督

京滋大学野球で優勝した花園大学の川崎監督(10日、大津市・マイネットスタジアム皇子山)

 川崎克巳さん(63)は、監督就任から約2カ月の今月10日、京滋大学野球リーグで花園大学(京都市中京区)を2016年春以来の優勝に導いた。胴上げされて3度宙に舞うと、笑顔がはじけた。

 大阪体育大学卒業後、大阪府の高校教員となり、39年にわたって高校野球の現場で指導してきた。昨年5月、大阪体育大学の1学年後輩で、花園大学の監督代行をしていた奥本保昭さん(現花園大学助監督)から監督就任を打診された。定年後も再任用で高校に残っていたが、新型コロナウイルスの感染拡大で思うような指導ができなかったこともあって「心残りがあるなと思っていたところに(打診の)電話をもらった。定年を過ぎていたけど、もう一度野球ができたらいいなと思っていた」と、承諾することにした。

 指導現場を高校から大学に移したが、教育者としての考え方は変わらない。「時代が変わってきているので(選手たちとの)接し方で難しい部分はある。選手に合わせることも大事だけど、最低限(社会で通用する)人として育つようにしたい」と話す。

 現役時代は投手や三塁手だった。「ベンチメンバーだったこともあるので、いろんな立場の選手の気持ちが分かる」。6月に東京・神宮球場などで開幕する全日本大学野球選手権に向け「勝ち負けだけじゃなく、(グラウンドでの振る舞いなどで)恥ずかしくないチームにしたい」と意気込む。

 趣味のゴルフは「優勝したからそんな時間はないかもしれへん」。妻と2人暮らし。大阪府高槻市出身。

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