働きながら世界再挑戦 富寿しグループに就職 地元から五輪へ スキークロスに転向 髙橋大成(妙高市)

 スキー全日本選手権の元覇者で、スキークロスに転向した髙橋大成選手(26、妙高市田口、妙高高原中―開志JWSC―中央大出)が地元の富寿しグループ(本社・上越市南本町3)に就職し、働きながらオリンピックなど国際大会出場を目指す。

富寿し高田駅前店のホールで働き始めた髙橋選手。「ぜひ富寿しにお越しください」とPR

 同社への就職は昨年11月のアスリートキャリアフォーラムがきっかけ。「親身になって聞いていただき、運命的な出会いを感じた」と振り返る。「夢を追い掛けたい。世界へ再挑戦したい」「人生は一度きり。後悔したくない」という思いを素直にぶつけ、「その気持ちを受け取って、拾っていただいた。感謝の気持ちでいっぱい」と話す。
 4月下旬から高田駅前店で、平日は夕方からホール業(接客)に就き、昼間に練習する。妙高市のJWSC(全日本ウインタースポーツ専門学校)で筋トレなどに励み、上越市内でスキークロスのレース感覚に近いBMXを取り入れている。

入社前、欧州でスキークロスのスタートを練習する髙橋選手(右、提供写真)

 今後は8月にオーストラリア合宿で滑り込みを重ね、10月からW杯下の欧州杯を転戦する予定で、経験を積み、ポイントを稼ぐ。アルペンで全日本選手権優勝(種目はスーパー大回転)の実績はあるが、「クロス一本で勝負する」「自分の長所を生かせる」と決意を固める。関根学園高出身で昨年の北京五輪代表、古野慧選手(23)ら全日本チームのメンバーにもアドバイスを受けている。
 富寿しでの仕事に「皆さんフレンドリーで仕事は楽しい。スキーで恩返ししたい」と感謝の思いを抱く。また「地元妙高をスポーツの力で元気にしたい」との思いがある。その恩に報いるためにも、欧州杯で結果を残し、全日本強化指定選手入り、そして3年後、さらには7年後の五輪出場を目指して再挑戦する。
 活動費支援を求め、クラウドファンディングを開始した。広く支援を呼び掛けている。

クラウドファンディングのサイト

◇地元選手を支援 初めてアスリート契約
 アスリートフォーラムで応対した同社採用担当の上村瑠奈さんは「地元出身選手を応援したいと思い、初めてアスリート契約を結ばせていただいた。活動を支援し、協賛していきたい。(髙橋選手が)店頭に立ち、上越の方々にも地元選手の存在を知っていただければ」と話している。
 【髙橋大成】妙高高原北小1年からアルペンスキーを始め、2020年の全日本選手権スーパー大回転で優勝。インカレ同種目で2位、高校時代は全日本ジュニア選手権同種目優勝、国体少年男子(大回転)で7位入賞。2021年秋に東海大に編入学し、スポーツとコーチングを学んだ。

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