【リニア問題】静岡市長「県境まで掘っても問題ない」山梨県側でのボーリング調査「止める議論に賛同しない」個人的見解示す

リニア問題をめぐり山梨県との関係が注目される静岡・川勝知事。5月24日、都内で行われた関東地方知事会議で顔を合わせた二人は何を話したのか。

山梨県側で進む「ボーリング調査」をめぐっては、JR東海が県境から「300メートル以内」の区間を「慎重に掘り進める」と説明しているが、静岡県は穴を掘り進めれば「静岡の水が流れ出る可能性がある」と懸念を示している。

この問題について、副知事時代にリニア問題を担当していた静岡市の難波市長は、24日の会見で個人の見解としながらも「山梨県境まで掘っても問題はない」と話した。

(静岡市 難波市長)

「ボーリングについては山梨県境まで掘ってもいいと思っている」「300メートル前で止めるという議論には賛同していません」「このぐらいの口径のものが300メートル先にあるときに、風呂の底の水を抜いたときに300メートル先まで水を引っ張るということは考えられない」「したがって、このぐらいのものであれば何も問題ないというのが私の考え」

これまで山梨県の長崎知事は、山梨側の県境付近での「調査」を実施しないよう求めている静岡県の対応について、苦言を呈してきた。

こうした中、24日、川勝知事と山梨県の長崎知事は都内で行われた「関東地方知事会議」で顔を合わせた。

会議の前には川勝知事が長崎知事と笑顔で挨拶を交わし、1分ほど談笑する姿も…リニア問題については何を話したのか?

(静岡・川勝知事)

「山梨県の行政権に干渉しているかのように印象をもたれたこと、遺憾に思っていた」「大変申し訳なかったとおわびした」「携帯電話を持ってきたので長崎知事の番号を入れた」「県庁にいない場合でも連絡できるようにする」

お互いの携帯電話の番号を交換し、「和解」を強調した川勝知事。

さらに、情報提供に遅れが出ないよう事務方同士のホットラインを設置することが決まったという。

一方、山梨県の長崎知事はボーリング調査をめぐる議論について…。

(山梨・長崎知事)

「こういう問題は静岡だけで抱えているというより、期成同盟会として共有しましょうと、川勝知事もいい考えだと」「リニアを進めていくためには、それぞれの地域のいろいろな懸念をメンバー全員が共有をして知恵を出し合い、一致団結して取り込むことが大事」「今回の議論をきっかけに沿線全体でやっていこうというこれまでのスタンスに変わりない、わだかまりというわけではない」

5月31日にはリニア新幹線の早期建設を目指す「期成同盟会」の総会に川勝知事も出席する予定で、そこでの発言にも注目が集まりそうだ。

© 株式会社静岡第一テレビ