「野球観戦チケットは以前からもらっていて賄賂の認識はない」広島県庁職員の贈収賄事件初公判 起訴内容を一部否認

公共工事の情報を提供する見返りに賄賂を受け取ったとして、加重収賄などの罪に問われている広島県庁職員の男の初公判が開かれました。男は起訴内容を一部否認しました。

起訴状によりますと、広島県土木建築局建設産業課の曽根田英一被告(49)は去年5月、尾道市の土木会社の役員と共謀して国道の修繕工事の入札に関する機密事項だった設計金額を漏洩し、その役員の会社に落札させたほか、おととし、県立高校の改修工事の入札に関して、別の土木建築業者の男と共謀して予定価格などの情報を漏洩し、男の会社に落札させ、その見返りに、マツダスタジアムのスイートルーム入場券(12万2200円相当)を受け取った罪などに問われています。

曽根田被告は24日の初公判で、「情報を漏洩したのは事実だが、業者を落札させようと共謀したというのは違う」「マツダスタジアムのチケットについては以前より、土木建築業者の男から余ったものをもらっていたので、賄賂の認識はない」と起訴内容を一部否認しました。

検察は冒頭陳述で「曽根田被告は土木会社の役員に求められるまま、予定価格などを伝えた」「別の土木建築業者の男とは2017年頃に仕事で知り合い、その頃からマツダスタジアムの年間指定席などの接待を受け、革靴やビール券をもらうようになった」などと指摘しました。

一連の裁判では、すでに入札妨害の罪に問われていた尾道市の土木会社の役員に懲役1年・執行猶予3年の有罪判決が言い渡されています。

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