高校野球の強豪・明石商 甲子園初出場時にコーチ務めた現部長の逮捕、関係者に戸惑い広がる

教員逮捕を受け、会見を開く明石商業高校の橋本浩二校長(左から2人目)ら=明石市役所

 明石商業高校(兵庫県明石市魚住町長坂寺)の金庫から現金約50万円がなくなり、24日、同校野球部顧問の教員が窃盗の疑いで逮捕された。甲子園に出場したこともある強豪校で指導を担っており、学校関係者らに戸惑いが広がった。

 「野球部員だけでなく、担任するクラスの生徒に親身になって寄り添い、ほかの教員からも信頼が厚い」。橋本浩二校長は市役所での会見で、逮捕された教員の男(41)の勤務態度を問われ、困惑した表情で語った。

 同校で男は2008年に野球部の臨時クラブ指導補助員に就いた後、13年に地歴公民の臨時教員となった。16年のセンバツで、春夏通じて初の甲子園出場を果たした際はコーチとして支えた。他校などでの勤務を経て21年に同校へ戻り、昨年8月から野球部長を務めている。

 同校では現金紛失の発表から一夜明けた23日、全校集会や職員会議を開いて経緯を説明。男が橋本校長に窃盗について申し出たのは、その日の夜だった。

 今後、生徒や保護者への丁寧な説明と、生徒の心のケアに努める。また、捜査の進展を踏まえて厳正な処分を行うという。

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