欧州移籍も日本代表も夢ではない!新たなスピードスター、J2町田FW平河悠に迫る

Jリーグで猛威を振るった若きスピードスターは数多くいる。伊東純也、前田大然、松尾佑介と彼らはアマチュア時代著名な存在ではなかったが、その圧倒的なスピードを駆使してJリーグで大暴れし、欧州へと旅立った。

そして新たなスピードスターがJ2の舞台で存在感を見せている。その選手はFC町田ゼルビアFW平河悠だ。今季は開幕から全試合に先発出場しており、17試合4得点2アシストと首位町田を支えている。

期待の大卒ルーキー平河の実力に迫る。

大卒ルーキーで今季トップクラスの存在感

特筆すべきは圧倒的な加速力と得点感覚だ。第9節ジュビロ磐田戦でFWエリキからパスを受けた平河は加速だけで相手DFを振り切り、左足でゴール右側のファーを射抜いた。

短い距離であってもトップスピードに到達する加速力、加速してもボールコントロールが乱れない技術、そして逆足でゴールを決めた判断力と決定力。

どれを取ってもJ1に通用するレベルの実力が備わっているように思える。

多彩なシュートパターンを備えているのも魅力だ。第14節ファジアーノ岡山でカットインからドライブ回転がかかったカーブシュートをゴール右へ突き刺した。

スピードだけではなく、シュートのバリエーションも豊富だ。スピード、判断力、決定力の3拍子をバランス良く備えている。

そして守備でも献身的に泥臭く貢献する場面も多く見られる。攻撃から守備に切り替わった際のリトリートも素早く、体力面も優れている。

チームの求められるタスクを卒なくこなし、決定的な仕事も遂行できる大卒ルーキーは、町田にとって不可欠な存在になっている。

目立たなかったキャリア。昨季最強の特別指定選手に

平河のアマチュア時代のキャリアはエリートコースから程遠いものだった。佐賀県内では強豪校の県立佐賀東高に在籍していたが、決して目立つ存在ではなかった。

高校卒業後は就職も考えていたようだが、高3年次のインターハイの活躍もあって山梨学院大へ進学。そこで頭角を現し、大学3年次の9月に町田から内定を勝ち取った。

特別指定選手として大学3年次に1試合、大学4年次には16試合2得点2アシストと活躍。昨季の特別指定選手(全カテゴリー含め)で最多出場、最多得点、最多アシストを記録した。

そのため、今季平河が活躍して当然と考えているサポーターも少なくない。圧倒的なスピード、技術の高さ、優れた判断能力は攻撃の核となっている。

将来、欧州移籍や日本代表は夢ではない!?

アマチュア時代に目立った活躍をしていなかった選手は意外と多い。冒頭にも書いた伊東純也は公立高校から神奈川大へ進学した経緯や、前田大然も大阪では決して目立つような選手ではなかったと聞く。そして松尾佑介も浦和レッズの下部組織では主に2軍でプレーしていた。

上記の3選手と平河の共通点は優れたポテンシャルを持ち、努力によって開花し、そしてプロの舞台で爆発している点だ。

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このままの順調に行けば平河は来季J1の舞台に立つ。その先にある道は欧州移籍、日本代表だ。それを期待できる実力と可能性をJ2の舞台で見せている。J2で大暴れする新スピードスターのプレーを刮目してほしい。

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