<女性職員に傷害容疑逮捕> 議長への議員辞職勧告決議案を提出へ 長生村議会 セクハラ疑惑も ドラレコの記録一部なく

容疑者を除く全議員が出席して開かれた議会改革特別委員会=24日午後、長生村役場

 公用車を運転していた長生村職員の女性を殴りけがを負わせたとして、傷害容疑で同村議会議長、東間永次容疑者(77)が逮捕された事件で、村議会の議会改革特別委員会が24日、村役場で開かれた。容疑者を除く全15議員が出席し、容疑者に対する議員辞職勧告決議案を提出することを確認した。関克也委員長は「最初の議会の意思表示として、できるだけ早く上げることになる」とした。

 ほかに▽同様の事件を起こさないためのハラスメント防止条例などの整備を進める▽公用車の使用基準を明確にし、会食の在り方なども検討する▽住民の信頼を取り戻せる議会にしていく-ことを確認。引き続き事件の究明や問題点の整理を進めるとした。

 委員会で関委員長は、村幹部から聞き取った内容として、女性が以前から容疑者からセクハラを受けていたと報告した。また、事件から3日後の4月10日、容疑者は女性に謝罪した一方、女性は事件後、食事ができず、シートベルトも自分では付けられないほど精神的なショックを受けていたという。

 委員会ではこのほか、公用車のドライブレコーダーを事件翌日に職員が確認したところ、データの一部が残っていなかったことも判明。ドライブレコーダーを管理する総務課長は、データは警察に押収されているとした上で、「故意に消されたのか、最初から映っていなかったのかは分からない」とした。

 容疑者の逮捕容疑は4月7日午後10時~同45分ごろ、一宮町内を走行中の車内で、運転していた女性の左腕を殴るなどの暴行を加え、全治約2週間の軽傷を負わせた疑い。

 茂原署などによると、容疑者は後部座席に座り、背後から女性の髪を引っ張ったり、シートベルトで首部分を締め上げたりしていた。当時は役場職員の歓送迎会の帰りで、容疑者は酒に酔っていたという。事件を巡り、公務外での公用車使用も問題になった。

送検のため警察車両に乗り込む東間容疑者=17日、茂原署

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