病気などで髪を失った子どもたちに医療用かつらを贈る「ヘアドネーション」に役立ててもらおうと、福井県小浜市内の中学1年、荒木陽琉さんが5月23日、2年間伸ばし続けた髪を切った。長髪が男子では珍しく大変な思いをすることもあったが、ようやく寄付がかない笑みがこぼれた。
荒木さんは叔母が小浜市内で美容室を営んでおり、小学5年生のときにヘアドネーションを知った。母が経験者ということもあり気軽に始めたが、学校で男子の長髪は珍しく「髪を引っ張られてからかわれたり、女子に間違えられて嫌だなと思ったりすることもあった」と振り返る。
それでも「途中でやめるのはもったいない」と小・中学の教員の理解も得て伸ばし続けるうちに、背中までかかる髪を後ろで一つに結わえた長髪姿が定着。友達からも「髪伸ばしてない陽琉、どんなやっけ」と言われるようになったという。
⇒【写真】髪を切った後の荒木さん
寄付先のNPO法人の規定があり、31センチ以上の毛束が確保できるまで伸ばし続けた。この日は叔母にカットしてもらい、久しぶりに短髪となった荒木さんは「頭軽くなった」と驚きながら鏡を見ていた。活用される毛束を見て「目標を達成できて良かった。役に立つと思うとうれしい」と話した。