電車内、男性が心肺停止… ホームに居合わせた女性ら連携し蘇生 「消防団での講習を生かせた」 千葉・JR新習志野駅 習志野市消防が感謝状

協力して心肺停止状態の男性を助け、感謝状を贈られた中島さん(中央)と星さん(左)=習志野市消防本部

 電車内で心肺停止状態となった40代男性に適切な救命処置を施したとして、習志野市消防本部は、千葉市花見川区の派遣社員、中島純子さん(56)とJR新習志野駅(習志野市)の駅員、星洋平さん(38)の2人に感謝状を贈った。男性は無事に社会復帰した。出勤途中に居合わせ、星さんらと協力した中島さんは「消防団での救命講習を生かせた」と振り返った。

 同本部や2人によると、男性は2月21日午前8時半ごろ、同駅に停車した電車内で心肺停止状態になった。ホームにいた中島さんは車内から「AED(自動体外式除細動器)を」と叫ぶ声を聞き、男性の様子を確認して心肺蘇生を開始。星さんは駅備え付けのAEDを持って駆けつけ、協力して処置に当たった。

 当初呼びかけに応じなかった男性は息を吹き返し、間もなく到着した救急隊が引き継いで搬送した。

 同本部で2人に感謝状を手渡した広瀬義嗣消防長は「救急の輪が効果的につながり、尊い命が救われた。日頃からの高い意識と訓練の証し」とたたえた。

 中島さんは「男性が社会復帰したと聞いてほっとした。地元の消防団で訓練したことが役に立った。団の仲間に経験を伝えたい」と語った上で「1人ではできないことだった」と強調した。看護師の女性も居合わせ、アドバイスしてくれたという。同本部はこの看護師にも感謝状を贈る。

 星さんも「異変に気づいた人がホームで(電車の)非常停止ボタンを押してくれたことも早い対応につながった」と振り返った。

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