防災に懸ける青春 大崎高校「防災部」

このところ都内でも地震が頻発し、防災への意識が更に高まってきています。そんな中、品川区の高校には全国でも珍しい部活動・防災部があります。部員たちの防災にかける思いとは。

品川区 森澤区長:「品川区に巨大台風が直撃した場合の対応や行動について、認識を深めてもらう事ができれば幸いです」

品川区の公園で今月行われた水の災害に備えた合同訓練には、消防団や自衛隊など約240人が参加。その中に大崎高校・防災部の部員13人の姿もありました。

「都立大崎高校防災活動支援隊、到着しました!」

10年以上前に設立された大崎高校・防災部は、地域の合同訓練への参加や、地元の住民たちに向けたAED=自動体外式除細動器の操作方法の指導など、災害に備えた様々な活動を積極的に続けています。彼らの取り組みは功績が認められ、東京都や東京消防庁から毎年のように表彰されています。

部長:「ボランティアみたいな活動をやってみたいと思ったので防災部に入りました。東日本大震災とか、そういう大きな災害があった時にどういう行動をとればいいかというのを学ぶ事ができると親や学校から聞いたので」

この日の訓練では、目黒川が氾濫したという想定で、川に見立てたブルーシートの周りに土嚢を置く連携方法を確認しました。この春に入学し、防災訓練に初めて参加したという1年生の大野さんも、およそ10キロある土嚢を続けざまに手渡していきます。息をする度にへこむマスク。息使いも荒くなるなか、わずかな休憩時間に急いで水分補給です。

大野さん:「めっちゃ美味しいです」

過酷な訓練にも笑顔を見せる大野さん。彼女には、防災部にかける強い思いがありました。

大野さん:「特別支援学校の教師をやりたいなと思っていて。生徒を守る立場なので、こうやって体験できるのはすごく貴重だなと思っています」

合同訓練からおよそ1週間後、この日も防災部の活動が行われていました。学校の庭で土を掘るメンバーたちが植えようとしているのは、ヒマワリの種です。この種は東日本大震災の津波にも負けずに宮城県石巻市で花を咲かせた「ど根性ひまわり」の種を分けてもらったものでした。防災部は、震災の記憶を風化させないようにと、2015年以来、毎年、栽培しています。

部長:「8月くらいに咲く予定です。大きな花が咲いてほしいと思います」

いざという時、少しでも身近な人や地域の役に立とうと、大崎高校・防災部の活動が続きます。

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