国際若手バイオリンコンで水野さん(青森市出身、東京芸術大2年)グランプリ

初挑戦の国際コンクールで思いを込めて演奏する水野琴音さん。1位とグランプリに輝いた©Pauline Caplier(kalliopsproduction)

 青森市出身で東京芸術大学音楽学部器楽科2年の水野琴音さん(19)が、4月にベルギーで開かれた「第15回アルテュール・グリュミオー国際バイオリンコンクール」のカテゴリーD(2001~04年生まれ)で1位とグランプリを同時受賞した。同カテゴリーで1位を上回るグランプリが選出されるのは初。水野さんは「初挑戦の国際コンクールでこのような賞をいただきうれしい。次のステップに向け良いスタートが切れた」と喜んでいる。

 同コンクールは、若手音楽家の才能の発展と舞台経験の提供などを目的に08年から開催され、これまでに60カ国から千人以上が参加。今年は38カ国の171人がエントリーし、動画審査を通過した74人が現地開催のコンクールに進んだ。カテゴリーDの1次予選には、水野さんを含む日本人3人とオランダ、イタリアなどの14人が出場した。

 本コンクールに挑戦した理由の一つに「本選(ファイナル)でプロのオーケストラと全楽章を弾かせてもらえるから」と水野さん。複数課題曲の中からパガニーニ「24のカプリース作品1より第11番ハ長調」、ブラームス「バイオリンソナタ第3番ニ短調作品108第1楽章」などを選曲し本番に臨んだ。1、2次予選を通過し、本選に進んだ水野さんは、モーツァルトの「バイオリン協奏曲第4番ニ長調K.218」でオーケストラと共演し「とても幸せだった」と振り返る。

 6月には都内で同級生とリサイタルを開くほか、9月には青森市民交響楽団の定期演奏会に出演、チャイコフスキーのバイオリン協奏曲に挑む。「キャリアのない若手がオーケストラと共演させていただけることはめったにないこと。地元青森でこのような機会を得られてありがたい。今後も音楽家としての本質を忘れずに新たな挑戦を続け、キャリア構築につなげたい」

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